今の会社に入って、定期的にフィードバックを得る機会があるのですが。
つい最近フィードバックを受けたことで、凄く印象的で、かつ自分を変えられるかもしれない一つのキーワードに出会った。
それは、「もっと、わがままになる」ということ。
自分であるがまま=我がまま=わがまま、である。
今の会社に入った時に、「自分らしさの復権」という言葉で、これからの自分の人生を変える一つの転機にしたいと思っていた。
何故、この言葉を据えたのか。
当時色々思うことはあったと思いますが。
多分、学生時代の自分は世間に唾を吐いて、だけど就職活動で嫌が応にも世間に屈服させられて、辛酸を舐めながらも社会人になって。
でも、自由奔放な先輩方が優しく育ててくれて、仕事の面白さを知った。
けれど、生意気だった僕は常に自分の世間的な評価に不満を感じていて、上へ上へと行きたがっていた。
仕事ができるようになりたいし、頭良く見せたいし、自分の提案を通したいし、うまいこと切り抜けたい。
今思い返せば、負のコンプレックスが成長の原動力だったし、常に自分はもっと評価されるべきだと思いながら仕事をしていた。
徐々に徐々に、そのコンプレックスは払しょくされて、自分なりに今の会社に来た時点で禊を済ませた=ようやく自分らしさに目を向ける時が来た。
原点回帰で、自分をさらけ出すタイミングが来た。と思っていた。
けど、結局この1年、仕事の仕方を変えられなかった。
自分は、常に不安で、不満だった。
休日も、寝る前までも、ずっと仕事をするべきだと思っていた。
それが今の会社でバリューを出す方法だと思っていたし、周りに「できない人」と見られないように一生懸命つくろった。
多分、コロナでリモートになり、自由な飲み会やイベントの参加が規制されたことも影響していた。
段々と、自分を制御することに慣れてしまっていた。
飲み会に行くと、翌日必ず自己嫌悪で何度も抗原検査やPCRを受けに行く。
実家に帰った時も、両親がコロナだったらどうしようという思いで喉が痛くなるまでうがいをし続けたり、鼻うがいをしていた。
屋外でも、マスクをしていない人とすれ違う時には息を止めたりする。
電車の中で咳をしている人がいても、息苦しくなるまで呼吸を止める。
一種のノイローゼのようになっていた。
テレビも全く見なくなった。
テレビを見る時間は、無駄だと信じ込んでいた。
映画も見なくなった。
2時間なんて、ほかに何か使えることがあるんじゃないか。
毎週行っていたサウナにも行かなくなった。
ライブやイベントも行かなくなった。
すると、あれほど好きだった音楽が、突然何を聞いても全く面白くなくなった。
酒を飲んでも楽しくない。
なんでだろう、と、全く理由が分からなかった。
その理由が氷解してきたのは、本当に最近のことだ。
ひとつは、コロナに対する意識が少しずつ変わってきたことだった。
先日、コロナが広がって以降、初めてハーフマラソンに出たのですが、ノーマスクで、密になって2時間走った。
半分はマスクをして走ったが、後半はさすがに息苦しくてマスクを外した。
マスクを外して多くの人と走ったことが、自分的には大きかった。
そして、コロナが5類に移行するということも影響した。
自分の中での洗脳が解けたというか、多分もうずっとコロナから逃げ続けることはできない。日常を取り戻していくしかない、と思い始めたことだ。
子どもができてから、コロナになってから。
自分を制限することに慣れていたし、それは得意な方だった。
家事をテキパキとこなし、「やっておいたから」アピールをする。
それは、「自分、頑張ってる」「制限している自分を、褒めてほしい」ということだったように思う。
食べたい夕飯もない。行きたい場所もない。見たい映画もない。聞きたい音楽もない。
仕事でも、自分の主張が無い。やりたいことはない。組織の課題に気づかない。
誰かに決めてもらいたい。
自分は、自分を制御することで価値を出す。主張することなんてめんどくさいし、周りにどう思われるかわからない。
自分が無かった。
いや、本当は自分があるのに、自分を制御して押し殺していた。それが楽だったから。
食べたい食事を食べよう。毎日、安いから立ち食いソバ、なのではなくて。
好きなコップでコーヒーを飲もう。
聞いたことのないレコードを買ってみよう。
家族になんて言われるかわからないけど、それを朝食の時にかけてみよう。
ソファに座って、テレビをつけてみよう。
休日は仕事を一切しないでおこう。
好きな服を着よう。
ビジネス本ばかりではなく、小説も読んでみよう。
妻の料理を手伝ってみよう。
旅行先を決めるのに3時間くらい悩んでみよう。
無駄だと思っていたこと。
どうせ自分は大したレベルじゃないと思っていること。
タスクをこなすことに躍起になること。
もっとルーズになる。
まじめすぎる自分から離れてみる。
本当は、何したい?
そんな新たな旅が、始まろうとしている。
だけど、今、なぜかいつもより前向きな自分がいる。
40代は、わがままに生きる!